飯豊連峰 西俣ノ峰ルート偵察(無雪期) 
平成18年11月5日(日)

今回のルート 青が積雪期のルート 暖かい空気が入る 本州上は晴天域
奥川入荘から 522ピーク方向 尾根の下部の彩り 522ピークを振り返る
鉾立峰と杁差岳 三匹穴〜頼母木山方向 鉾立が目立つ ダイグラと本山



日時 平成18年11月5日(日)
参加者 豊栄山岳会6名、当会・・JIφHNC(若月さん)、JJφLTK(小林稔長さん)、JJφLTQ(笹川)   

行き先 西俣ノ峰ルート三匹穴付近
天 候 5日晴れ
気 温 11月05日AM0:00〜PM17:00  6.4℃〜20.0℃(観測地 山形県小国町)
風 速 静穏
風 向 
ウインドプロファイラ 11月05日12:00 1km南南西4m 2km南7m 3km南南西7m 4km南南西8m(観測地 酒田)

目 的  正月合宿ルート偵察
装 備  秋山日帰基本装備
登はん用具 なし
通信用具  アマチュア無線機
ナビ用品  GPS 地図 コンパス マップポインター

防寒具  合羽で代用
その他  通常装備
飲み物  水 3.0L
食料品  握り飯、ハイカロリーゼリー、インスタントラーメン、パン 嗜好品
残 量  握り飯1個

コースタイム 事柄 備考
11月05日
05時35分 自宅発
06時50分 梅花皮荘着(300m) 
07時03分 梅花皮荘発 
07時07分 奥川入荘着 豊栄山岳会の皆さんと合流
07時25分 奥川入荘発
07時34分 尾根の取付き(315m)
07時58分 522ピーク(522m)
08時28分 727ピーク(727m)
09時05分 西俣ノ峰(1,023.2m)
09時52分 枯松峰(1,184m)
10時11分 大ドミ(1,200m)
11時00分 行動停止点(1,453m)

14時00分 行動停止点(1,453m)発
14時30分 大ドミ(1,200m) 水場の探りを入れるが少し下がり過ぎている様だ。
14時43分 枯松峰(1,184m)
15時20分 西俣ノ峰(1,023.2m)
15時51分 522ピーク(522m)
16時05分 尾根の取付き(315m)
16時14分 奥川入荘着
16時30分 現地解散
18時10分 自宅着

移動データ
標高 スタート場所 梅花皮荘 300m
到達地点  三匹穴直下(1,453m)
標高差   1,153m

11月05日
TP距離 総移動距離(GPSデータ)12.5km
時間 移動時間(GPSデータ) 4:20
移動平均速 2.9km/h
総上昇量 1,363m


概要
今年の正月合宿は西俣ノ峰経由で北股岳を目指す計画である。ほぼ時を同じくして同ルートでの正月合宿を検討されている豊栄山岳会さん有志と我々下越山岳会の有志で西俣ノ峰ルートの偵察にでかけた。
私はこのルートは積雪期にしか歩いた事がないので楽しみだった。お天気もとても11月とは思えない上天気で暖かな陽も降りそそぎ暑い位の山行だった。


私の計画では3日〜4日に1泊2日で足ノ松から入り、北股岳へ。梅花皮に泊り往路を辿り大石山から杁差岳のピストンで下山と企んでいたが都合により、またもや中止。11月3日は杉滝岩で練習して5日は西俣ノ峰ルートの偵察を行った。

LTKが迎えに来てくれて梅花皮荘を目指す。HNCさんと同じ車がある。既に向かったのだろうか?梅花皮荘の駐車場で靴を履き替えているとHZUさんが小国山岳会メンバー宛にコールを出している。HZUさんの無線が聞こえると何だか、ヤッパリ飯豊に来ている。という気になる。そんな事を考えていると、豊栄山岳会のメンバーが駐車場を通り過ぎる。
LTKと奥川入に着いて、横山さんに挨拶をして西俣ルートに向かうと話す。豊栄山岳会メンバーの支度を待ち、一緒に動き出す。尾根の取り付きから標高差約400m特に出だしの標高差200mが急である。積雪期も急だが無雪期は余計に傾斜が殊更強調される。天気は穏やかで、とても11月とは思えない。おまけにここ10日位は、まとまった雨が降っていないので落葉がカサカサとまるで関東の山の様だ。

調整のため、重くした荷物に喘ぎながらノロノロと登る。豊栄山岳会のメンバーは随分先行しただろう。10月は色々と所用のため尾根歩きができなかったので荷を重くして登る。私は山行に間が少し開いた時には荷を重くするのが調整法。荷を軽くしてスピーディーに行動し調整する方もいらっしゃいますが、多分これは、身体的に合う合わないがあると思う。重荷に慣らしてからスピードを上げるのがボク流。

西俣ノ峰まで来ると、枯松山が妙に存在感を醸しだす。光兎みたいにツンと尖った山容が気持ちいい。朝日に紅葉が映える。登路にあまり高度変化がないが枯松峰辺りでは、こんどは杁差岳と鉾立峰が存在感を示す。杁差岳の東面の窪地には僅かに残雪が残る。鉾立峰もカッコいい。薮化していると想像していたが、踏まれていて歩きやすい。

西俣ノ峰を過ぎ、枯松峰を下る。大ドミと呼ばれる場所だ。この辺りまではよく踏まれていて、落葉の進んだこの時期は迷う心配はないと思う。ただ、盛夏の頃は、標高も低く風当たりも悪そうだし、樹木に視界が閉ざされ景観にも優れないと思う。落葉の短い時期、残雪期が楽しいルートと思う。

大ドミを過ぎて三匹穴に向かうと、薮の様相を感じさせるがとりてて問題はない。
というかこの辺の判断基準は各人で相当に異なるのであまり安易な表現はできないが私には問題が無いように思える。

積雪期にしか歩いた事がない私にとって、自分の居る現在位置が判り難い。時々、地図、GPSの双方を眺めながら積雪期の風景と重ねるが重ならない。勿論、夏道と積雪期のルートは違うのは承知しているがのだが・・・・どうにも判らない。(ところがGPSのLOGを重ねたら、残雪期の通過ルートとほとんど変わらない。)
何せ、積雪期は印象的なダケカンバがあるのだが、薮でまだ葉が落ちきらずに見難い。

行動停止地点まで来てこの先の偵察を行い、昼食を取る。大桃さんが道中見つけたナメコを汁にしていた。
その後もう一度出かけて14時に下山開始。
陽が低いので逆光が強調されてしまい写真が難しい。

大ドミの少し上でGPS LOGが円を描いている。別に迷ったワケではなく、水場を探しに行きました。少し下りすぎた様です。あと50m程上で沢に沿い
トラバースして採り易い場所を探す必要がある。水が確保できれば、また少し楽しい企画も考えつこうというものだ。
横山さん(若旦那)も水場はなあ〜?う〜ん?と朝話していたがあるとすればこの辺りだろう。

広い尾根道と異なり、疲れた足を機械的に動かせないところが辛い所だがまあ、何とか無事下山。豊栄山岳会の諸氏、横山さんに御礼申し上げ帰途についた。


さて、正月合宿時ではどうだろうか?
三匹穴から上部は強風帯となるので、ラッセルで苦しむ事は少なそうである。強風への警戒が重要なポイントであろう。何せ日本海から近いので、季節風をまともに受ける事になる。
西俣ノ峰〜枯松峰の雪庇も注意が必要だろうし、枯松峰〜オオドミ〜三匹穴の強風帯に至るまでの間の深雪のラッセルがどの程度なのか?このあたりが行動の進捗を決める要素だろうか?
三匹穴より下の雪の状態と、三匹穴から上部でのアタック当日の天候の良し悪しが成否を別けるか?そんな感じだ。



このルートは冬期間でも比較的雪崩の心配が少ないといわれていますし、残雪期は楽しいコースです。
しかし、西俣ノ峰周辺は雪庇の張り出し上部での悪天候でのルートを失う可能性等危険が伴いますので充分な準備が必要です。
また、今回初めて行ってみた無雪期のルートは西俣ノ峰を通過して枯松峰を下りオオドミ付近まではあまり迷う事はないと思います。比較的踏まれている印象です。そこから上部は薮化していて注意が必要です。

水場はオオドミ付近で西側に沢音が聞こえたので少し様子を探りましたが、少し下がりすぎていました。もう少し上部から沢方向へ向かうと水が採れるかも知れませんが、岩壁になっている可能性も残されているのでまだ水が採れると断定はできませんが、期待しています。

登山道との位置付けではないルートですので一般にお勧めではありませんが、残雪期だけでなく天気の良い晩秋も静かな良い山行ができると思います。

なお、尾根に取り付くためには、奥川入荘の横山さんの私有地を通らなければなりません。
私有地ですので声を掛けて通行を申し出る、また下山の報告、ゴミの事等登山者としてのマナーを守る事は当然の事ですので念のため。


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